山の奥深い魅力を感じながら、一緒に山を楽しむキャラバンの『登山教室』。
山登りの楽しみ方だけでなく、自己危機管理の学びの場となる『机上講座』も開催し、初心者や入門者の方々にも、山に親しむ機会をご提案しています。
ここではツアーや体験会の様子を登山レポート【~ 登歩道 ~(とほみち)】として、その時の様子をご紹介しています。
これから一緒に山登りを楽しんでみませんか。
キャラバンイベントスケジュールはこちら一泊二日のツアー企画だからこそ実現した、福島県の山々を巡るキャラバンツアー登山教室改め『キャラバンスタッフと一緒に歩く登山教室』≪ 猫魔ヶ岳&安達太良山 ≫登山レポート後編
前日の猫魔ヶ岳に続き、本日は福島県が誇る日本百名山『安達太良山』を登ります。
午後から雷雨の予報が出ていたため天候が心配されましたが、午前中はとても清々しい“休日の高原“を思わせるほど、朝から良い天気に恵まれました。
まずは安達太良山登山のため岳温泉からツアーバスに乗り、あだたら高原スキー場に向かいます。
岳温泉からは車で約20分程度でしょうか。一気にバスで坂道を上がっていきます。
湿度を感じさせない吹き抜ける風がとても心地よい、朝一の、あだたら高原スキー場。
あだたら山ロープウェイの運行開始まで先頭に並んで待ちます。
今回は下山後に岳温泉に戻りお風呂で汗を流してから東京へ帰ることを考慮して、ロープウェイを利用して一気に山頂駅まで上がります。もちろん時間にも体力にも余裕があれば、ロープウェイを使わずにスキー場の横から安達太良山山頂を目指すこともできます。
ウィンターシーズン中、このロープウェイに乗ったことは何度かあるものの、グリーンシーズンに乗るのは初めて。
緑一色の雪のないゲレンデコースを眺められるのも、なかなか楽しい。
山頂駅に降り立ったら出発前の身支度と準備運動をおこないます。
ウィンターシーズン中は山頂駅に隣接した建物がレストハウスになっているので、トイレもここで済ますことができます。飲料自販機もありましたが、この時はメンテナンス中。。。
陽射しも強く、歩く行程も長いので準備運動は念入りに。
一行が準備運動をしている間にも、ぞくぞくと山頂駅には登山者が下から上がってきます。
思っていた以上にロープウェイを利用する登山者が多いみたいですね。
そして登山者の足元をよくみてみると、数人に一人は【キャラバンシューズ】を履いているではありませんか!
登山靴としての普及率の高さ、ご愛用者の多さ、それが1つのブランド認知度の高さを示していると思うと朝からテンションがあがります。登山教室の参加者そっちのけで他の登山者にお声掛けして、足元の写真を撮らせてもらったりしました。
(撮るのに夢中になっていたら、いつの間にか準備運動を終えて出発しそうだった・・・)
左:靴紐の色を変えてお揃いのキャラバンシューズ『C1_02S』を履いていた若いカップル。
右:GK83_02を履いたアルプス縦走経験も豊富なご夫婦。今日は、埼玉県から日帰り登山で訪れた。
まずは山頂駅を出発して木道を歩きながら、安達太良山山頂を目指します。
途中までは木道が続くので登山というよりは、高原散策気分で歩けます。
前回の『赤城山 地蔵岳』でもご説明しましたが、木道でトレッキングポールの先端をガンガン突いて歩くのは控えましょう。先端にゴムキャップ(LEKIスリップレスラバーロング)を装着して使用するか、無理のない範囲で先端を持ち上げて歩くようにしましょう。
トレッキングポールを突いて歩く場合は、バランス保持のためにそっと添える程度で優しく突くようにするのがよいかと思います。
山岳ガイド講師が愛用するZamberlan『バルトロライトGT』
途中で木道は終了します。そこからは整備が行き届いた登山道を登っていきます。
人工的に石を敷き詰めた階段が作られているので、登りやすい登山道が続いています。
それにしてもこの登山道を整備するのにどれほどの労力を必要としたのか。想像すると、ほんとうに頭が下がりますね。
空が開けた登山道は明るくて登りやすい。
道幅はそれほど広くはないので、後方からの登山者の接近には気を配り渋滞を引き起こしてしまう前に、無理のない範囲で追い越し誘導を心掛けましょう。
(後方を全く気にしていない人をたまに見かけますが、人気の山だけに一度渋滞を引き起こすとなかなか解消できなくなってしまいます)
※追い越したいからといって強引に追い越したり、わざと背後まで迫ってプレッシャーをかける行為はしてはいけません。事故や怪我の原因にもなります。
足元に咲く花々が可愛らしく、息切れをしながらも笑顔になれる瞬間があちらこちらに。
背丈ほどある木々の間から山頂を捉えることができた。
いまからここを目指して登るのかと思うと、まだまだ先は長い・・・。
最大望遠で山頂を捉えてみる。誰か山頂に立っているように見える。。。
眺望のよい開けた場所で小休止をします。
山頂まで残り2/3といったところでしょうか、まだまだ先は長そうです。
山頂までのゴロゴロ岩道にご注意!
一行が小休止をしている時間を利用して、少しLEKIトレッキングポールの物撮り撮影をしてみました。
身勝手な都合を言えば山頂が背景にくるように撮りたかったのですが、さすがに『物撮りしたいので皆さんちょっと場所を空けて』とは言えません。とりあえず後々で何かに写真を使えればと、置き撮りしておきます。
2022年新作、LEKIトレッキングポール『ブラックシリーズFXカーボン』
登山教室にご参加の方の足元 左:GRANDKING『GK85』 右:Caravan『C4_03』
小休止をしていると、ここでも続々とロープウェイを使って山頂駅から登ってくる登山者がやってきます。
話を聞くとここ数週間、週末のたびに安達太良山の天気が良くなかったようで今日は久々の登山日和りとのこと。
どちらから?の逆質問を受け、『1泊2日で東京からきましたぁ』
どちらの登山ツアー?『旅行会社主催でおこなっている登山靴メーカーのキャラバン登山教室になります』
すると≪ えっ!?私のこの靴、キャラバンです!≫みたいな。
なんとも不思議な盛り上がりをみせたりするのも、実はよくある話。
せっかくなので、ここでも足元のお写真を撮らせていただきました。
後から登ってきた別のグループの方も、同じC1_02Sのレッド色を履いていました。
≪濃いレッド色なのでブラック系のスポーツタイツと組み合わせると、カッコイイですね。お気に入りです≫
と、おっしゃっていただけたのが印象的でした。
ヒールショットを撮らせてもらう。すぐそばに咲いている花と色合いが似ていたので一緒に。
小休止でエネルギーチャージをしっかりおこなってから、山頂に向けて歩を進めます。
この先からは徐々に勾配もキツクなり息も上がってきますが、目線をしたに下げ過ぎず周囲を見渡しながら余裕のあるペースで登っていきましょう。
登りはじめに遠くに見えていた残雪が間近にまで近づいてきました。
やっとここまで登ってきたかといった感じです。
後ろを振り返れば、二本松市の街並みと山々を見渡せます。
朝は青空の広がる清々しい天気でしたが、徐々に薄曇り空に変わってきました。
山頂方向では風も出てきていて、雲が湧きたってきているのが確認できます。
この先、あまり時間をかけると山頂の天気が悪くなる気配を感じはじめました。
ここから先、山頂まではゴツゴツした岩が続きます。浮石に注意して歩きましょう。
目前に山頂を捉えます。
足取り軽く。とまではいかない様子ですが、今度こそ、もう少しで山頂に到着できそうです。
さすがは福島県が誇る日本百名山『安達太良山』。
山頂直下でこの壮大感。ぽてっと丸みを帯びた山頂が特長的な安達太良山ですが、実際に間近で見るとゴツゴツしたなかなかの迫力ある山頂が迫ってくるように感じます。
山頂はこの大きな岩の上。
ほかの登山者の邪魔にならない場所にバックパックやトレッキングポールを置いて、身軽な格好で山頂に向かいます。混雑時は渋滞となるので、次に登ってくる登山者のためにあまり山頂では長居せずほかの登山者にも気を配りましょう。
途中、くさり場が現れる。崖を登るような感じになるので、滑落しないように十分注意したい。
安達太良山1,700M、山頂に到着。
安達太良山1,700M、山頂に到着。
以前はこのてっぺんのところに、石碑が立っていたはずだけど・・・今回訪れた際には無くなっていました。
何かあったのでしょうか。
山頂からすぐ下を見下ろすと、こんなにも山頂付近が広く開けているのがよくわかる。
晴れていれば山頂からの眺望は360度、見渡す限りの素晴らしい景色が見えているはず。
でも午後から天候が崩れる予報でしたが、なんだか前倒しですでに怪しい雲の登場です。
ちょっとヒンヤリした風も吹き上げてきたので、山頂付近では集合写真だけ撮って早々に下山を開始。
昼食も、もう少し我慢して天候の変化に対応しやすい場所まで下りてからにします。
でもその前に、2022年新作、GRANDKING『GK88』の置き撮りだけは済ませます。
これを撮るためにわざわざ履きもしない登山靴を2足も背負って、ここまで登ってきたのだから。
撮らないという選択肢はないとばかりに。
でも、撮ってはみたものの、何だか全然うまく撮れない。ここでの撮影はいさぎよく諦めて下山開始。
ちなみに晴天の時に山頂に登ると、こんなにも素晴らしい絶景をみることができます。
まだ一度も自分のカメラでは撮れたことがないので、いつかは私も撮ってみたいなと思っています。
※安達太良山、宣材写真。岳温泉名物_くろがね焼(饅頭)店主:登山ガイド渡辺さん撮影提供
なかなかマズい空模様。こっちに雲が流れてこないことを祈りながら、矢筈森方面へ。
幸い雨雲に覆われつつある安達太良山山頂から離れることができたので、ちょっと一安心です。
ここも本来ならば絶好のビュースポットとして有名な場所ですが、雲がかかってしまっていました。
それでも、この景色は見応えが十分あります。
晴れていればもっと鮮明に色濃く広がる絶景が眺望できる場所。写真撮影で人気のビュースポット。
※安達太良山、宣材写真。岳温泉名物_くろがね焼(饅頭)店主:登山ガイド渡辺さん撮影提供
天候変化に対応できるよう、念のため峰ノ辻までそのまま下山することにしました。
雲の動き等を加味しての判断、さすが一年の大半を山の中で過ごしている武川ガイドです。
山頂を発つ時点で、峰ノ辻あたりまで下りたらきっと陽射しもあるでしょう。
この一言が現実となりました。
陽射しがあって風も穏やか。さっきの山頂付近の天気は一体・・・。
ここでお昼休憩をとることにします。
皆さんが休憩をしている最中、山頂で対応できなかった物撮り撮影を再開することにしました。
今度は陽射しもあって背景の抜け感もあるので、物撮り撮影がうまく出来そうな予感です。
この後は、くろがね小屋を目指して下山します。
出発前に振り替えると山頂方面の雨雲も抜けて、視界がクリアになっていました。
ここから山頂を望むのも迫力があっていい感じです。
振り返り見上げれば、あの場所から降りてきたという充足感がたまらない。
綺麗に咲いた安達太良山のイワカガミ。
下山ルートは天候や体力に合わせて選択可能。
途中、石がゴロゴロした傾斜のキツイ登山道を下るので注意が必要です。
下りの着地で石ごと足元を崩すと転倒の恐れもあるので、足運びは慎重に。
直線的に下りずに広い横幅を有効に使って、ジグザグ蛇行しながら下りやすそうなルートを探してみてください。
峰ノ辻から30~40分ほど下ると『くろがね小屋』に到着しました。
ここで小休止をします。さきほどまで陽射しが降り注いでいたのですが、風の影響を受けて少し雨雲がこちらにも流れ込んできてしまいました。パラパラと小雨が降りはじめます。
気温も上がっていたのでレインウェアを着たくないなと思いながらの下山でしたが、さいわい『勢至平』に到着するころには陽射しも戻り、今回はレインウェアの出番とならずに済みました。
峰ノ辻から直接、くろがね小屋を経由せずこの勢至平まで下りてくるルートもある。
ただし雨が降った翌日などは登山道が乾きにくく、足元が結構な確率で汚れてしまうのでご注意を。
近くには小休止するのにちょうどよい、腰掛ベンチも設置させている。
勢至平周辺は吹きおろしの風、吹きあがりの風、双方の風の通り道にもなっていて背丈の高い木々は一方向に枝葉が向いているのがよくわかる。
これより先は朝の出発点でもある、あだたら高原スキー場の入口まで、ただただ下っていきます。
この道は登山道でもあり、くろがね小屋への荷物運搬や源泉地の湯守設備搬入などで使用される搬入路でもあります。そのため道幅は車両一台分の幅があり舗装はされていないものの、起伏もほとんどありません。
スキー場まで続く、馬車道です。
この馬車道を使って下り続けることもできますが、今回は時間短縮も兼ねて旧道(登山道)を下りることにします。馬車道のほうが圧倒的に歩きやすいのですが、蛇行しながらの下山が続き距離が長くなります。
一方で旧道とされる登山道は馬車道を直線的に結ぶようなショートカットルートで、歩行距離は格段に短くなります。どちらのルートも途中で合流を繰り返すので、天候と体力に合わせて選択が可能です。
(雰囲気としては旧道のほうが木々に覆われた登山道となり、登山の雰囲気を味わえる)
強い陽射しも木々のおかげで優しく射し込む木漏れ日となり、安達太良山の涼しげな原生林を感じさせてくれます。ただし、雨天後は要注意です。
土の登山道は相当足場が悪く、足元が土汚れでドロドロになってしまいます。
スリップの危険があるようでしたら無理をせず、途中で何度となく合流する馬車道を利用したほうが安全かもしれません。
あだたら高原スキー場の少し手前で、最後の小休止をとります。
ここには『あだたら渓谷自然遊歩道』の木道が設置されていて、ものスゴク冷たい雪解け水が流れる沢(渓流)があります。遊歩道はスキー場入口付近まで続いているので、時間に余裕があれば渓流を流れる水の音を聴きながら、遊歩道を使って下るのも気持ちがよくて最高です。
ここで耳寄り情報。
ADATARA activity【あだたらアクティビティ】
https://mt-inn.jp/adatara-activity/tour/80
この『あだたら渓谷』で爽快感バツグンの沢歩き体験、シャワーウォークが夏時期に開催されています。
宿泊先として利用させていただきましたmt.inn マウントインさんが受付窓口となり、沢歩き体験を楽しむことができます。沢歩きに必要な渓流シューズやヘルメット等は当社製品(キャラバン/渓流/CAMP)を貸出装備品として用意されているので、気軽に参加が可能です。
夏休み時期はお子さま連れのご家族や学生グループでの参加も多く、すぐに定員に達してしまうほどとても人気があるとのことですよ。
沢歩きをキッカケに今度は沢登りをしてみたい!そんなチャレンジスピリットを芽生えさせてくれるのも、沢遊びの魅力の1つかもしれませんね。
※安達太良山、宣材写真。岳温泉名物_くろがね焼(饅頭)店主:登山ガイド渡辺さん撮影提供
雪のない滑走コース、あだたら高原スキー場のゲレンデに到着です。
運行開始時に乗った『あだたら山ロープウェイ』乗り場が奥のほうに見えてきました。
途中、怪しげな空模様となりましたが何事もなく無事に出発地点に戻ってきた登山行程。
皆さん安達太良山を十分楽しむことができて、ご満悦のご様子でした。
このあと、宿泊時にお世話になったmt.inn マウントインさんに一旦戻り、日帰り入浴を済ませてから帰路につくこととなります。
帰りのバスの中で皆さんどうされていたかというと。。。
登山疲れ&温泉入浴後ということもあり、ほぼ全員ぐっすりおやすみになられていましたよ。
東北道からは夕方のオレンジ色の色彩を感じさせる空色と山々の景色が、とても美しかったです。
一泊二日のツアー企画でおこなわれた『猫魔ヶ岳&安達太良山』、いかがだったでしょうか。
日帰り実施が多いキャラバンの【登山教室】ですが、たまには旅行気分も味わえる一風変わった登山ツアー企画もおこなわれたりしています。
2022年度の登山教室はまだまだ続きますので、ぜひ機会がありましたらご参加くださると嬉しいです。
2022年度_キャラバンスタッフと一緒に歩く登山教室の開催日程はこちら
次回の“~登歩道~”も、ぜひお楽しみに。
撮影、記事編集:キャラバン
前編はこちら 中編はこちらキャラバンカタログ2019掲載から『安達太良山の空』
今回の登山レポートでご紹介したアイテム・おすすめアイテム
トレッキングポール
ポールアクセサリー