イベント概要
開催日時:2023年9月9日(土)
場所:箱根・金時山(標高:1,212M)
山所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原
行程:新宿駅西口集合 >>> 東名高速道路 >>> 金時神社入口 >>> 金時山 >>> 乙女峠 >>> 乙女峠登山口荘 >>> 帰路
レベル:初心者〜初級者
家族の絆や思い出は、何かに共感したり共有することで、より深まるもの。
日常生活から飛び出し一緒に同じ景色のなかを歩きながら、子どもを見守る親の想い、差し伸べた手を握り締める温もり。言葉だけでは表せない愛情を親から子へ、そして子から親へ。
お互いの存在をとても強く感じる体験は、その後の子どもの成長に大きな力を与えてくれます。キャラバンでは家族の絆を深めて、一緒に体験する『外遊び教育・山登り』の場をご提案したいと考えています。
幼少期は何処へ行くにも、手を繋いで歩いた道。
子どもが成長するにつれ、今は一緒に並んで歩くことすら減ってしまったかもしれません。もちろん当たり前のことではありますが、急速に成長する時期だからこそ、親子で過ごす時間、成長を感じる時間、変化に気付く時間が、とても大切なことだと思っています。
自然のなかで学ぶ・体験する・感じる『外遊び教育』は、子どもだけではなく親自身も貴重な経験と発見があるのです。
今回の【親子で一緒に山登り】日帰りバスツアーは、日本昔話で有名な金太郎伝説が残る箱根の山『金時山』。
都心から近いこともあって、JR新宿駅西口に朝07時45分集合というバスツアーにしては、少し遅めの集合時間。とはいえ、朝は眠い。バスの中でぐっすり眠っていた子もいれば、元気いっぱいテンション高めの子もいる総勢17名のご家族たち。
まずは、準備運動しながら怪我予防を念入りにおこないます。(とくに大人たち)
今回ご参加の中には登山経験のないご家族も含まれているので、登山道具の無料貸出(レンタル品)をご案内。お子さんにはキャラバンシューズ『Caravan JR』をご用意しました。
はじめて履く登山靴の履き心地はどうなんだろう。気になってお子さんに声をかけたところ、『う~ん分かんない』の一言が。
まさにこれが、率直な感想なんだと察しました。
それもそのはず、この『Caravan JR』は日常で履いている普段靴に近い感覚で履けるよう、柔らかく軽く設計されたモデル。感覚的に違いが分からないということは、いつも履いている普段靴の感覚に近いと言うこと。
ただ、しっかりフィッティングしなければ靴擦れの原因にもなるので、保護者の方は出発前に必ずちゃんと履けているかチェックするよう心掛けましょう。
一通り準備を終えたら、金時山に向けて出発です。
今回は金時神社入口からのルートで、金時山山頂を目指します。
登山道へ向かう前に、金時神社を参拝。
当日は小雨が降り出してしまうあいにくの空模様のなか、安全登山を願って鳥居をくぐります。
登山ガイドから金時山の由来など『社会授業』のような豆知識と、歴史のミニ解説。金太郎物語を覚えている子ども達だけでなく、保護者の皆さんも解説を聞き入っていました。
金時神社の横から登山道へ入ります。大樹の森のなかを歩くこと自体が、子ども達にとってはすでに非日常的な出来事であり、アドベンチャー気分を味わいながら楽しんでいます。
山域によってはさほど珍しくもない『出没注意』の看板。
熊のイラストに思わず大丈夫なの?!と、怯える声が聞こえました。
それよりも、子ども達のはしゃぐ声に熊の方が怯えて、遠くへ逃げだしていると思いますが・・・。
ゴロゴロとした石が不規則に並んだ登山道の階段。
場所によっては手を使いながら先へと進む子どもにとって、ここは登山道ではなく、もはやアトラクションと化した場所でした。
子連れ登山の心得は、無理を強いらないこと。我慢させないこと。
子ども達の体力や反応をみながら、こまめに水分補給やお菓子補給をおこないます。
お子さんを連れての山登りで一番注意しなければならないことは、無理を強いらないこと。我慢させないこと。(わがままを許す事とは違います)
『たのしくない』、『もう疲れた』、『歩きたくない』、『はやく帰りたい』。この気持ちを抱かせないための努力は、保護者である大人の【責務】として、行動中はつねに心掛けてもらいたいと思います。
日常生活の感覚のままで注意したり叱ったりすると、一気にこのワードが口をついて出てきてしまいます。
同じ場所で、同じ行動をしている。ただそれだけで、子ども達は初めて会った者同士でも共通の興味を持ち、次第に打ち解けていきます。そんな我が子の姿を学校以外の場で保護者が目にする機会は、実はそれほど多くはありません。
だからこそ、このような親子や家族との『共有時間』をもつことが、後々の『共通の思い出』として大切になってくるのです。
行動中も、休憩中も、いつも以上にお子さんに声をかけることが多くなるのが【親子で一緒に山登り】。
親としては我が子を気に掛けて声をかけたりしていますが、実はお子さんもチラチラと親の姿を目で確認しています。
お互いに気に掛けている目配りを、果たして双方が認識しているかは分かりませんが、カメラのレンズ越しにはよく目にする、親子の何気ない光景だったりします。
今回、子ども用に用意したレンタルシューズは、キャラバンシューズ『Caravan JR』
シューレーシングがおこない易いよう、伸縮性のあるバンジーコードを配して引っ張るだけでフィッティングができる仕様になっています。調整は黒いパーツを摘まんで調整するだけの、コードロックタイプ。
さらには、押さえが効き易いように面ファスナーテープで甲の部分を押さえられる構造になっているので、簡単に脱ぎ履きもできる子ども向け登山靴です。
それに対して、大人用で用意したレンタルシューズは、グランドキング『GK88』(キャラバンシューズ)
このグランドキング『GK88』は、無雪期縦走にも対応できる本格的な登山靴のため、今回の金時山では少々オーバースペックではあったものの、登山靴としての履き心地はピカイチなのでこの機会にぜひ履いていただきたいと思い、このモデルをご用意しました。
機能性・適応範囲・履き心地は、かなりのハイスペックモデルとなっており、実際の山行状況に対する詳細なフィールドテスト記事もWEB公開されているので、ぜひ一読いただけたらと思います。
グランドキング『GK88』フィールド・インプレッション記事はこちら
樹林帯のトレッキングから高山の岩場まで!ハードに使える、グランドキング「GK88」
扱いやすさが、ちょうどイイ。トレッキングタイプとライトアルパインタイプの中間に位置するグランドキング「GK88」を徹底レビュー!
小雨が降る山行でしたが、一時だけ雨雲が抜けて陽射しが降り注ぐ場面がありました。
この天候が、この先も続いてくれれば良かったのに・・・。
今回の【親子で一緒に山登り】で、登山ガイドを務めてくださった福地ガイド。
ご自身も2人のお子さんがいらっしゃる、ママさんです。今日はお仕事のため、我が子ではなく参加者のお子さん達を引率する、ママさんガイドに徹してくれています。
予想通り(予想以上に)子ども達に好かれて、いつの間にか福地ガイドの後ろは子どもだけの集団に。。。
若干困惑してしまうほどの人気ぶりでした。
ちゃんとした山登りがはじめてのご家族。お母さんが使うトレッキングポールを使ってみたいとおねだり。お父さんと一緒に、トレッキングポールを使いながら余裕の表情。
このような親子での経験を体感することで、たくましさや忍耐力を養っていくのが【ソトイク(野外教育)】となります。
山頂に向かう前に、最後の小休止をとります。
このあと、霧雨が降ってきてしまい一時カメラをしまう事態となったため写真は終了。
小休止を終えたのち、山頂へと歩きだしました。
山頂到着!しかし富士山は見えず…
山頂に到着した子ども達は、登山ガイドの福地さんとハイタッチ。
ここまで登りきった達成感と、満面の笑みで到着を迎えてくれた大人たちのやさしさを実感した瞬間だと思います。
好天の時は撮影の順番待ちも発生する、人気のフォトスポット。
今日はあいにくの天候だったこともあり、山頂にはほとんど人の気配もなく独占状態。
天気が良ければ正面には富士山が、左側には箱根の景色が広がっているのですが。。。今日は残念ながら、何も見えない展望なし状態の山頂でした。
今回は、子どもを連れての親子登山。保護者の方々にはお子さんに何かあったとき、すぐに手を差し伸べられるよう両手を空けておくことをおすすめしました。ただし、お子さんよりもご自身の体力が心配だったり膝や腰に不安がある方には、トレッキングポールを貸し出せるよう念のため数セットほどバックパックの中に収納して持ってきていました。
さいわい途中で必要とされる方は誰一人いなかったので、置き撮り写真だけ1枚撮ることにしました。
LEKIトレッキングポール『マカルーFXカーボン AS』は、カーボンシャフトを採用した軽量性に優れるモデルで、収納サイズも約40cm(専用ケース付き)のため、背負ってきたバックパックの中に楽に収納可能です。
山頂でのランチタイム・集合写真撮影を終えてから、乙女峠方面へ下山を開始します。
気温と湿度の影響で汗だくになってしまうためレインウェアは着用しない判断をしましたが、とても細かな霧雨が降っています。蒸し暑さと湿度のこの感じ、まるでミストサウナの中にいるようでした。
大人にとってはさほど苦労しない段差でも、お子さんにとっては上半身も使って足場を捉えなければならない状況。まさに、アドベンチャー・アトラクションのような、アスレチック感覚満載の登山道が続きます。
雨に濡れた登山道は滑りやすくなっているので、一歩ずつ慎重に足場を確認しながら下山を続けます。
登山道は霧雨の影響で視界が悪くなってきました。でも、その幻想的な雰囲気が子ども達には新鮮に思えるようで、倒木に生えるコケや雫(しずく)、鳥のさえずりなど大自然を満喫していました。
こちらのご家族は、親子三世代でのご参加でした。
まだまだ現役の、登山経験豊富なご夫婦の前を歩く息子さん(次男)。そして、その息子さんのお子さん(お孫さん)。さらには、家族を先導するように登山ガイドの後ろを歩く、今回は参加できなかったという長男のお子さん(お孫さん)。計5名でのご参加です。
これこそがキャラバンが目指している親から子へ、そして孫へと受け継がれていく山での思い出『共有時間』。
将来この子がアウトドアを好きになり、山登りが好きになり、何かしらこのアウトドア登山業界に足を踏み入れてくれたら嬉しいです。
乙女峠への道のりは下り一辺倒ではなく、下って登ってを何度か繰り返します。
さすがに子ども達の中にも、疲れを訴える子が現れ始めました。機嫌が悪くなってしまう前に、お子さんの様子を観察しながら水分補給やチョコ・アメなど、それとなく声を掛けて上手く対応しましょう。
木々に覆われたトンネルを抜けたところで、ちょっと長めの休憩をとります。
お菓子を食べたり水分補給をしたり、子ども達同士でお菓子の交換をしたり。大人だけでの山行だと、こんな天候の日は気分もダダ下がりになりますが、子ども達が一緒にいるだけで和気あいあい楽しい時間になるのは不思議ですね。
ちょっとしたやさしさの行動が、子ども達同士の心を豊かにします。
そして、その光景を目にする大人の心も。
今回の【親子で一緒に山登り】では、ガイド講師を務めてくださった福地ガイドもグランドキング【GK88】を履いてくれています。
滑りやすい登山道でも難なく歩くことができ、かかと周辺の押さえも含めて履き心地は上々だったご様子。今後の登山ガイド業でも、ぜひ履き続けてもらえたら嬉しいです。
まだまだ先は長いので、気を取り直して下山を再開。
霧雨から小雨に変わり、そろそろ写真撮影が厳しくなってきてしまいました。
自ら考えながら安全と思われるルートを選択して、足場を探りながら歩く姿は本当にこの数時間だけでも、たくましさが増したような気がします。
瞬時に判断する能力、その繰り返しがお子さんの成長にもきっと役立つはずです。
雨が強くなってしまったので今回の写真撮影は、ここで終了。
天気が良ければ富士山の眺望や、陽射しが降り注ぐ木々からの木漏れ日を見せてあげられたのにと、何とも残念な気持ちになりましたが、こんな天候でもそれなりに楽しかったようなので一安心です。
次回こそは、晴天での山登りを味わってもらいたいと思う【親子で一緒に山登り】でした。
2023年度の【親子で一緒に山登り】企画は、残りあと1回のみ。
9月30日-10月1日(土日)開催決定 一泊二日での山旅【安達太良山】となります。
皆さまのご参加お待ちしています。
撮影、記事編集:キャラバン
今回の登山レポートでご紹介したアイテム・おすすめアイテム
トレッキングポール
キャラバンイベントのご案内
山の奥深い魅力を感じながら、一緒に山を楽しむキャラバンの『登山教室』。
山登りの楽しみ方だけでなく、自己危機管理の学びの場となる『机上講座』も開催し、初心者や入門者の方々にも、山に親しむ機会をご提案しています。
ここではツアーや体験会の様子を登山レポート【~ 登歩道 ~(とほみち)】として、その時の様子をご紹介しています。
これから一緒に山登りを楽しんでみませんか。
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