登山靴に求められる機能性
登山に欠かせない道具の一つ、登山靴。
富士山に登りたい、これから登山・山登りを始めたいと考えている方で、何をどう揃えて良いのか分からない・・・という方も多いのではないでしょうか。
登山に必要な道具はいろいろありますが、多くの方がまず初めに必要だと考えるのが「登山靴」「トレッキングシューズ」だと思います。
舗装されていない道を長時間歩くことになりますので、自分の足と目的に合った登山靴・トレッキングシューズを選びたいですね。
山に登る場合に登山靴は必要?
そもそも山に登るのに登山靴は必要なのでしょうか?
普段履きの靴やスニーカーが歩きやすいから、山も普段履きの靴で行けるのでは?なんて考えたことがある方はいませんか。
登山靴には山を安全・快適に歩くために必要な機能が備わっています。
逆に言えば、登山靴以外を履いて登山を行うのは、とても “ 危険 ” だということを知っておきましょう。
登山に求められる靴の機能とは?
山によっては登山道が整備されているため、比較的登りやすい山もあります。
でも、ほとんどの登山道はゴツゴツとした岩場や足場の不安定な場所を歩いたり、小さな場所に足をかけたりと日常の街中とは異なる場所を歩くことは言うまでもありません。
不整地をソール(靴底)の柔らかい靴や、足を支えられない靴で長時間歩くと疲れやすくなる為、ソールの硬さや靴自体の剛性も重要な要素となります。
また、靴底を見ると、登山靴は溝が太く、深くなっています。
これは土や泥が詰まりにくくする為と、1つ1つのラグパターン(ブロックパターン)によりグリップ力を高める形状をしています。
溝が浅く土・泥がついたままになると、岩場などで滑り、転倒してしまう恐れがあります。登山道では靴底の “ グリップ力 ” がとても重要です。
さらに大事なのは、天候の変化に対応できる “ 防水性能 ” が備わっている登山靴を使用する必要があります。
山では行動中に天候の急変によって雨に遭遇する場合も少なくありません。街中であれば足元が濡れても行動不能になることはありませんが、山の中で足元が濡れた状態のまま行動するのはリスクを伴います。
このように安全かつ快適に山を歩くためには、最低限求められる機能があり登山靴にはその機能が備わっています。
登山靴に必要な条件は?
- 悪路でも滑りにくく疲れにくい、安定して歩けるソール
- 足首を保護してくれる、ホールド感のあるカットの高さ
- 靴自体が捻じれにくい構造
- 全天候対応型の防水透湿性能
- 足の甲から履き口まで、しっかり靴紐で締め込めるフィット感の高いデザイン
- つま先を硬いものから守るトウガード仕様(指先保護)
見た目上はカットが高い靴でも、捻じれに弱ければ捻挫のリスクが大きくなります。一つ条件を満たしていれば大丈夫、というわけではありません。
舗装された道になれた現代人だからこそ、不整地である山で足元をしっかりと支えてくれる靴を選びたいですね。
特に大きく関係してくるのが「ソールの硬さ」(曲がり加減)と「カットの高さ」(履き口の高さ)です。
その違いを詳しくご紹介します。
登山靴の違い
「登山靴」と一言でいっても、いろいろな種類があります。
お店に行けばさまざまな形・デザイン・価格の物がずらりと並んでいて、初めての方には何がどう違うのか分からないのではないでしょうか。
靴によってどのような違いがあるのか、特に基本的な“ソールの硬さ”と“カットの高さ”について違いをご紹介します。
ソールの硬さの違い
※商品モデル:C1_LIGHT LOW(キャラバン)
柔らかい
スニーカーのようによく曲がり、歩きやすい
- ハイキング
- 里山歩き
- キャンプ・野外イベント
※商品モデル:C1_02S(キャラバン)
中間
適度に曲がり、登山靴の中でも歩きやすい
- 日帰り登山
- 低山歩き
- 富士登山
※商品モデル:バルトロ GT(ザンバラン)
硬い
ソールが曲がらない分、小さな場所にも乗りやすい
- 重い荷物を背負った登山
- 縦走
- 岩稜帯歩き
カットの高さの違い
ローカット
足首が動きやすく、歩きやすい
登山にはあまり向かない
- 整備された道向け
- ハイキング
- 里山歩き
ミドルカット
歩きやすさと適度な足首のホールドを両立
- 日帰り登山
- 整備された登山道
- 低山歩き
- 富士登山
ハイカット
足全体をサポートし、不整地が歩きやすい
靴自体が足を支えてくれる
- 重い荷物を背負った登山
- 縦走
- 岩稜帯歩き
ファースト登山靴におすすめ!
山岳/アウトドアライター、高橋庄太郎さんの連載「 “現場主義”インプレッション」では、経験豊富な登山愛好家たちからも愛され支持されるキャラバン登山靴の代表モデル『C1_02S』を徹底レポートしています!
登山入門に適した大定番トレッキングシューズ『C1_02S』は、山慣れしていない初心者から登山歴が長い方まで幅広く愛されるシューズとなっています。
人気の秘密はぜひ、記事をチェックしてみてください!!
記事はこちら富士山に適した登山靴は?
- ミドルカット~ハイカット
- ソールは柔らか過ぎない中間程度
富士山は登山道も整備され、宿泊も小屋泊まりの為、3,776mの標高ながらそれほどハードな登山靴は必要ありません。
しかし、2,000m付近の森林限界を超えると草木の生えない溶岩帯となります。
安定感があり、しっかりと足元を支えてくれるシューズを選びましょう。
登山靴の選び方
サイズの選び方
登山靴は岩などにぶつかった際に、足を保護するためにつま先部分が固くなっています。
そのため、スニーカーのように靴の上から押してサイズを確認することができません。
どのように履いて、サイズを確認するのか見てみましょう。
大まかな目安としては普段履かれている靴サイズよりも、0.5~1.0㎝ほど大きめのサイズで試し履きを行いサイズ感を確かめると良いでしょう。
①登山用靴下を履いて、つま先まで紐を緩めた登山靴に足を入れる
→靴下によってもフィッティングは変わります、必ず登山で使用する靴下で合わせましょう
②登山靴に足を入れ、つま先が靴内部の先端に触れるように履く
③踵側に指を入れて、踵位置と靴との空間スペースを確認する
→指がちょうど1本分くらい入る空間スペースがあればサイズが合っています
④つぎに踵側に足を移動し踵位置を合わせてから、つま先側から順に靴紐を締める
→足にフィットさせる為、紐は足先側から順番にひとつひとつ締めましょう
⑤足の甲や横側に不快な締め付けがないか確認する
⑥実際に歩いて確認する
→お店に確認用のスロープや階段がある場合は、登り下りをして履き心地を確認しましょう
目的別おすすめ登山靴
※登山形態によるシューズの適応用途は、あくまでも推奨目安であって、山域や登山形態、用途を特定するものではありません。
HIKING / WALKING
軽さと柔らかさを重視したハイキング/ウォーキングライン。フィッティング性にも優れた設計で、オールラウンドに活躍します。
●低山歩き ●高原・湿原ハイキング ●ロングトレイル
TREKKING
履きやすさを追求したモデルから、高山や縦走にも対応するモデルまで、豊富に揃えたトレッキングライン。山行形態や登山経験に応じて選べます。
●中級山岳(無雪期) ●岩稜帯歩き ●小屋泊山行 ●富士登山 ●日帰り山行
ALPINE
高山登山向けに剛性・耐久性・防水性を高めた、堅牢で機能的なアルパインライン。登山経験が豊富な登山愛好家におすすめします。
●日本アルプス(初冬/残雪期) ●岩稜帯縦走 ●テント泊山行
上記で紹介した以外にもさまざまな靴を取り揃えております。ぜひご自分に合った靴を探してみてください。
登山靴と合わせて選びたい、登山用ソックス
単に丈が長い厚手のソックスであれば、ソックスは何でも良いというわけではありません。
ソックスにも登山の為に求められる機能があります。
より快適な登山を行う為にも、登山靴と合わせて一緒に選ぶのがおすすめです。
登山用ソックスに求められる機能としては、下記のような内容となります。
- 擦れ防止・・・適度な厚さで足首周辺の擦れを防止する
- 保温性がある・・・適度な保温性で汗をかき過ぎない、汗冷え防止につながる
- クッション性・・・厚さによりソックスでもクッション性が得られ疲労軽減につながる
- 吸汗・速乾・・・汗による湿気がたまりにくいため、足裏がふやけにくくマメができにくい
- 抗菌防臭・・・メリノウールには天然の防臭効果があり、臭いが気になりにくい
靴のお手入れは?
使用後のお手入れ次第で登山靴の寿命も大きく変わります。
登山から帰ったら毎回しっかりとケアしたいですね。
使用するメンテナンスケア用品は、お使いの登山靴の素材に合った製品をお選びください。
詳しい方法はこちら
シューズメンテナンスの方法